2009年2月15日日曜日

アイデアの作り方

ジェームズ・W・ヤングの著作である、「アイデアの作り方」。
非常に有名な本で、広告等の企画系の方であれば、まず目を通しているでしょう。
いまさらながら再読。

アイデアの作り方の肝は非常に簡単で、要はインプットを醸成させる、ということです。

本自体も非常に薄いものなので、論旨も明快、といったところですが、
個人的にはこの結論以外にも気になるところがありました。

それは、情報のインプットについての記述ですが、本書の最後の方で
「辞書が短編小説集」であると書かれています。

辞書を読む、という表現がありますが、このヤングの記述もそれに似ているでしょうね。
リファレンスのみならず、辞書からその言葉、減少の内奥をつかめ、ということなのでしょうか。非常に含蓄のある言葉だと思います。

確かに、辞書を小説と同様に読みこなすことができれば、アイデアは限りなく出てくるものなのかもしれません。

本書は、他にも広告に携わる者は、社会科学の勉強、
「有閑階級の理論」や「孤独な群衆」を読んだ方がいい、とも言っています。これも社会全体を理解するように努めることへの忠告だと思います。

薄さと結論によって、本書は非常に簡潔な論文と読まれている場合が多いのかもしれませんが、こうした行間に、鋭い含蓄があるのです。この点が読めないと魅力が半減する書物かもしれません。