2008年11月15日土曜日

「反米経済」

PHP社刊。図書館で借りて読んでいる。まだ完了していないが感想を。

今回の金融危機で、アメリカ型経済は終焉を迎え、BRICs始め、現在発展途上国と呼ばれる国々が新しい、有力な経済の担い手として登場してくるだろう。凋落するアメリカではなくって、これらの国と仲良くすると良いよ、という内容、これまでのところ。

サブプライム問題から、今回の金融危機までの分析は精緻でありながら非常に分かりやすい。
でも、結論までの物語の書き方は強引なように思える。

今回の経済危機で、アメリカの経済的な役割が、急激に落ちるとは思えない。また新興国についても、真に国際経済に影響力を与えられるようになるには、経済の伸びではなく、制度や政治的不安定性を払拭する必要があるだろう。この点を多少過小評価しているように思われる。

著者はBRICs研究所の人らしいので、やはりこれら新興国の動向を中心に描きたいという思いがあるのだろうが、本当にこれらの国がチカラをもつまでに、欧米が再度復興する可能性も高いだろう。その場合、本書にあるような経済ブロック同士の覇権争いではなく、今回の騒動を鑑みた、国際的な協力体制を築き上げる方向に動くような気がする。

先進国がそのチカラに溺れ、その地位を新興国に取って代わられるというのは、刺激的なプロットであるが、経済上の競争を覇権争いの観点からのみ描き出すのは不十分だろう。今後の国際経済、特に金融体制は各国が協力をするという体制の上に築き上げられるものだと考えたい。